【木造住宅のスペシャリスト】木造建築士資格試験

何でも建築相談所、あなたの建築士 “yourCrony”です。

自らを建築士と言うためには、やはり建築士試験に合格する必要があります。

それに、建築業界で仕事をする上で、「建築士」という資格はとても役に立ちます。

「木造建築士」は、木造住宅のスペシャリストになれる国家資格です。一級建築士、二級建築士と比べてしまうと建物の規模と構造に制限がありますが、木造建築物に特化した専門的知識を持ち、伝統的な木材の専門知識も得ながら歴史的構造物の維持においてもその知識と技術が重宝されます。まさに狭く深い資格であり、一級建築士や二級建築士が知り得ない知識を持つことになります。何でも設計できてしまう一級建築士からは見劣りしてしまうかもしれませんが、一級建築士等の試験難易度と合格率の違いから建築業界の登竜門として取得しておきたい資格です。ちなみに、合格率は過去の平均だと、木造建築士の学科試験約60%、製図試験約55%で、一級建築士は学科試験約16~17%で製図試験約40%ぐらいとなっています。

また、受験資格は二級建築士と同じでありながら、試験日は学科試験、設計製図試験共に別日になっていますので、同じ年に両方の資格試験に挑めるのもひとつの魅力となります。

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令和3年度の試験情報こちらをご確認ください。

【木造住宅のスペシャリスト】木造建築士資格試験<令和3年度版>

建築士とは

一級建築士試験は「公益財団法人 建築技術教育普及センター」で行っております。受験資格や試験情報、過去問などなどホームページに記載されていますので詳細な情報に関しては確認してください。最下部にURLを記載しておきます。

まず初めに、建築士に関して簡単に説明しておきます。

建築士とは、

建築士法に基づく資格で、国土交通大臣又は都道府県知事から免許の交付を受け、建築物の設計及び工事監理等の業務を行う技術者の資格です。

はい、条文のままです。建物の設計及び工事監理を「業」として行うならば必ず必要な資格なんですね。あくまで、「設計及び工事監理」なので、施工は含まれないんです。施工に関しては「建設業法」になりますので、建築の施工を「業」とする建設会社には一級建築士は求められていなく資格を持っていなくても建設会社を経営している所は数多くあります。但し、その建設会社の主任技術者や現場代理人には建築士の資格を求められたりしますので結果的に建築の施工を「業」とする場合でも建築士の資格はあった方が良いです。

建築士免許は、一級建築士、二級建築士、木造建築士に分類されており、業務の対象となる建築物の用途、構造、規模に応じて、その建物の設計が出来る出来ないがあります。

それぞれの建築士が設計できる出来る範囲を理解することが重要ですが、最初にどのような区分があるかを知り、その上でどの資格が必要かを理解しましょう。

用途
Q:「一般」か「特定」か
一般一般的な建築物(下記特定以外の建築物)
特定学校、病院、劇場、映画館、観覧場、公会堂、オーディトリアム(注1)を有する集会場、百貨店をいう
注1:劇場やコンサートホールなどの中にあり、パフォーマンスを見たり聞いたりするための場所のこと
  • 重要
  • 「特定」は不特定多数の方が利用する建物になりますので、その建物の安全性等を計画することはとても重要なものになります。ですので、「特定」は「一級建築士」でなければ設計出来ません。
構造
Q:「木造」か「木造以外」か

建築物の構造はRC(鉄筋コンクリート)造・S(鉄骨)造・木造がありますが、資格の区分で考えた時は大きく分けて「木造」「木造以外」かになります。

  • 重要
  • 「木造建築士」はその名の通り、「木造」しか設計できません。
延べ床面積
Q:分岐点はどこか

建築物の延べ面積の分岐点はいくつかあります。代表的な面積として

  • 30㎡
  • 100㎡
  • 300㎡
  • 500㎡
  • 1000㎡

がありますが、中でも太字の2つの面積は重要な分岐点になります。

  • 重要
  • 「二級建築士」は建物の構造の制限はありません。但し、面積によっては設計することができません。木造以外は300㎡超えの設計は出来ません、そして、木造でも1000㎡超えの設計は出来ません(但し、平屋は例外です。)
    ちなみに小さな床面積の建物は資格がなくても設計できます。木造以外は30㎡以下、木造は100㎡以下の2階建てまでであれば可能です。
建物の高さ
Q:分岐点はどこか

最後に建物の高さに関する分岐点になりますが、

「建物高さ13m及び軒高(注2)9m」

「1階」or「2階」or「3階以上」

の分け方になります。

注2:地盤面から建築物の小屋組又はこれに代わる横架材を支持する壁、敷げた又は柱の上端までの高さ

  • 重要
  • まず覚えて欲しいのは「建物高さ13m超え又は軒高9m超え」は「一級建築士」でしか設計できません。
    次に覚えて欲しいのは、「3階以上」は「一級建築士」「二級建築士」だけしか設計できません。

以上のことをまとめたのが下記表になります。言葉で覚えつつ、建築物のボリュームを頭にイメージしながら区分けを理解して貰えればと思います。

一級建築士基本的に全ての建物の設計と工事監理を行うことができます。
二級建築士特殊建築物延べ面積500㎡未満、高さが13メートル又は軒の高さが9メートルを超えない、小規模(300㎡以下)な鉄筋コンクリート造や鉄骨造、木造3階建てまでで1,000㎡以下(但し平屋は面積の制限なし)の設計と工事監理を行うことができます。
木造建築士木造建築物で延べ面積300㎡以内かつ2階以下のものを設計と工事監理ができる。
無資格木造2階建てで延べ面積100㎡以下、木造以外2階建てまでで延べ面積30㎡以下は誰でも可。但し、法規・構造・性能等は建築士レベルの対応が必要。

いかがでしょうか?建築士の必要性、あなたがどの建築士になるべきかイメージはつきましたでしょうか?

ちなみにこのような分類も試験に出てきますので、すでに試験勉強が始まっていることをお忘れなく!

Point

建築士は1度取得すると更新の必要は無い永久的な資格です。
但し、3年に一度の定期講習を受けることが義務付けられていますのでお忘れなく!

受験資格

建築に関する学歴又は資格等
大学、短期大学、高等専門学校、専修学校等において指定科目を修めて卒業した者
二級建築士
建築設備士
その他国土交通大臣が特に認める者(外国大学を卒業した者等)

詳しい受験資格に関しては「公益財団法人 建築技術教育普及センター」にてご確認ください。

そして、令和2年度から変わります!

建築士試験の受験資格の見直し

令和2年度以前では、所定の実務経験を経て受験資格を得られましたので、働く→受験→合格→登録という流れでしたが、令和2年度以降では、上記表の受験資格を満たしていれば、学生であれば卒業後すぐに受験することができるので、在学中に資格の勉強をばっちりしておけば、一発で合格をして、社会人になって勉強を気にすることなくバリバリと働き所定の実務経験期間を経れば資格の登録という流れになります。つまり、受験→合格→働く→登録という流れになります。

これは、近年の受験者数の減少を受けて、受験資格を緩和することが目的であります。さらに、高齢化社会に向かっていくなかで建築業界でも建築士資格保有者が減る事が予想されていますので資格者としての人材確保は急務となっています。既に建築士を保有している先輩方は資格取得までにとても辛い経験をしてきました。社会人2年生~3年生でまだ仕事にも慣れていない生活環境のなか、仕事と受験勉強を両立させなければならないという残酷で過酷な日々を送ってきたのです。そのようなことからも早期に勉強を行い、資格保有者数を向上させる目的があります。

今までは資格取得まで2年目、3年目という方が非常に多い状況でしたが、是非とも一発合格を目指して早めに勉強を初めてください。

学科試験免除期間の見直し<設計製図試験の受験緩和>

令和2年度以前では、木造建築士の学科試験に合格した方は、その年の設計製図試験のほか、翌年、翌々年の設計製図試験について学科試験が免除されていました。つまり、連続して3回のチャンスがありました。令和2年度以降では、3回のチャンスに変わりはありませんが、学科試験に合格した方は、その年を含めて、5年以内に実施される設計製図試験のうち、3回を任意に選択して学科免除で受験することができるようになります。

例えば、令和2年の学科試験に合格した場合、令和2年から令和6年までの間で、令和3年、4年、6年というように設計製図試験について学科免除で受験することができます。学科試験に合格した年に設計製図試験を受けなくても構いません。今までは、当然ですが学科試験に集中して設計製図試験の勉強を何もせず、学科試験合格後の2ヶ月足らずで詰め込んで、3回のうちの1回を棒に振ることがないように設計製図試験を受けていました。しかし、令和2年度以降は気持ちをリセットして焦らず設計製図試験を受けることができるようになりました。また、建築業界は担当物件等により多忙な時期が不定期なものとなっていますので、少しでも仕事の合間の時間を作れるときに受験することができます。3年間が5年間となって気の緩みが発生してしまい悪い方に動くかもしれませんが、焦ることなく試験対策をすることがとても重要となります。

試験内容

木造建築士の資格試験は「学科試験」と「設計製図試験」があります。学科試験に合格すると設計製図試験を受けることができます。

学科試験

出題形式
4科目 100問 /
五肢択一 (マークシート方式)
出題科目/出題数
建築計画(学科Ⅰ)25問
建築法規(学科Ⅱ)25問
建築構造(学科Ⅲ)25問
建築施工(学科Ⅳ)25問
試験時間/当日の流れ
9:45~10:10(25分)注意事項等説明
法令集チェック
10:10~13:10(3時間)学科Ⅰ・学科Ⅱ
(1時間)休憩
14:10~14:20(10分)注意事項等説明
14:20~17:20(3時間)学科Ⅲ・学科Ⅳ
※実施年度によりスケジュールは変更されることがありますので、詳細は「公益財団法人 建築技術教育普及センター」のホームページにて確認してください。
さて、気になる合格率?
  • 合格率
  • 学科試験の合格率は約60%
  • 製図試験の合格率は約55%
  • 学科試験と製図試験の合格率を合わせると約35%
  • 合格基準
  • 毎年決まった合格点はありません。合格点の高い人から合格していきます。
  • 基準は100点満点中60点(約60%)前後となっています。
  • また、足切りと呼ばれる科目毎の合格基準点もあります。
  • 建築計画(学科Ⅰ) 13点
  • 建築法規(学科Ⅱ) 13点
  • 建築構造(学科Ⅲ) 13点
  • 建築施工(学科Ⅳ) 13点

設計製図試験

出題形式
設計製図
出題科目

事前に公告された「設計課題」に対して、5時間の試験時間内に出題者の要求を設計条件から的確に読み取り、利用者の利便と周辺環境を考慮した建築物の計画と作図を行います。与えられた内容及び条件を充たす建築物を計画し、設計する知識及び技能について、設計図書の作成を求めて審査されます。

試験時間/当日の流れ
10:45~11:00(15分)注意事項等説明
11:00~16:00(5時間)設計製図
※実施年度によりスケジュールは変更されることがありますので、詳細は「公益財団法人 建築技術教育普及センター」のホームページにて確認してください。
さて、気になる合格率?
  • 合格率
  • 学科試験の合格率は約60%
  • 製図試験の合格率は約55%
  • 学科試験と製図試験の合格率を合わせると約35%
  • 合格基準
  • 減点方式により採点されます。出題年度により採点基準は変わりますが問われる大まかなポイントは下記になります。
  • (1)架構計画(平面計画に対応した柱、横架材、小屋組等の構成)
  • (2)耐震性に対する配慮
  • (3)木拾いに関する知識
  • (4)柱杖又は矩計に関する知識
  • (5)要求図書の表現
  • (6)設計条件・要求図面等に対する重大な不適格
  • これらのポイントを基準に採点されます。確認申請の審査と同じような感じになります。
  • その結果下記のようなランク分けをされます。
  • ランクⅠ:「知識及び技能」を有するもの
  • ランクⅡ:「知識及び技能」が不足しているもの
  • ランクⅢ:「知識及び技能」が著しく不足しているもの
  • ランクⅣ:設計条件及び要件図書に対する重大な不適合に該当するもの
  • そして、「ランクⅠ」のみが合格となります。
  • ただし、設計製図試験のみを見ると合格率は40%とそれ程低くありません。事前に出題内容も発表されますので試験対策を十分に行えば合格することができます。

いかがでしょうか。「学科試験」「設計製図試験」を合わせての合格率は約35%となっており国家資格でありながら比較的取得しやすい資格になっています。受験生のほとんどが学生であることから2級建築士の資格を取る前のステップアップの試験にもなっています。また、「設計製図試験」の知識・経験は木造建築士試験を受験せずに二級建築士、一級建築士を取得した者は得ることができず、例えば一級建築士を取得していても「木造」が分からない方は多くいます。人口減少、住宅販売戸数減少に伴い、「木造建築士」だけで仕事をしていくことは難しいですが、勉強する価値のある資格です。そして、令和2年度以降の法改正で、早い段階で試験対策が出来ますので「学科試験」の合格率も変わってくるかと思いますが、何よりしっかりと勉強を重ねれば合格できる資格ですので対策をしっかりと行いましょう。

試験までのスケジュール

  • STEP.01
    受験申込書の配布
    3月中旬
    • 配布期間:
    • 令和2年3月16日(月)~4月13(月)(ただし、土曜・日曜日、祝日は除く。また、4月11日(土)、12日(日)は受験申込書の受付を行う所定の受付会場に限って配布を行います。)
    • 配布時間:
    • 午前9時30分~午後5時(ただし、4月13日(月)は午前9時30分~午後4時)

    ※配布場所は建築技術教育普及センターのホームページをご確認ください。

  • STEP.02
    願書提出
    3月下旬~4月中旬
    • 郵送による受付:
    • 3月25日(水)~3月31日(火) (締切日の消印有効)
    • 受付場所における受付:
    • 4月9日(木)~4月13日(月)
    • インターネットによる受付:(過去受験者)
    • 4月13日(月)午前10時~4月20日(月)午後4時
  • STEP.03
    資格判定
     4月下旬~6月中旬
  • STEP.04
    受験票の発送
    6月中旬
    • 受験票の発送:
    • 6月12日(金)頃
  • STEP.05
    学科試験
    7月中旬
    • 学科試験:
    • 7月12日(日)
  • STEP.06
    学科試験の合格発表
    9月上旬
    • 学科試験の合格発表:
    • 9月8日(火) (予定)
  • STEP.07
    設計製図の試験
    10月上旬
    • 設計製図の試験:
    • 10月11日(日)
  • STEP.08
    設計製図の合格発表
    12月上旬
    • 設計製図の合格発表:
    • 12月3日(木) (予定)

※日程に関して変更される可能性がありますので、最新の情報は「公益財団法人 建築技術教育普及センター」にてご確認ください。

まとめ:受験勉強

受験資格のことを理解したら、早速勉強を始めましょう。すぐ目の前にある試験を狙うのか、少し先の試験を狙うのか。いずれにしても国家資格なので、そう簡単にはいきません。

独学主義のyourCronyですが、建築士に関しては合格してもその先ずっと実務として使用し続ける資格のため正確な知識を得よう某有名資格学校にて試験対策を行いました。ですので、当ブログをご覧頂いているあなたにも資格学校に通われることをおすすめします。かなりの受講料が掛かってしまいますが、この先何十年使用する資格と思えば・・・。

とはいっても、資格学校にいけばすべてが解決ではありません。

わかりにくいところはわかりにくいです。

覚えにくいところは覚えにくいです。

ですので、その点を当ブログにて補って頂けるよう情報を流せて行ければと思っております。

どんな方法・手段であれ勉強した者勝ちです。

資格取得に向けて、当ブログを利用して頂ければ幸いです。

  • 資格学校による試験対策をおすすめします
  • 何と言っても過去問が大事!
  • 分かりにくい点、覚えにくい点に関して当ブログを活用してください
  • 当ブログで息抜きもして行ってください

さらに詳しい情報に関しては、実施している「公益財団法人 建築技術教育普及センター」のホームページにて確認してください。

公益財団法人 建築技術教育普及センター

https://www.jaeic.or.jp/smph/shiken/mk/index.html

令和2年度 新型コロナウィルスの影響を「公益財団法人 建築技術教育普及センター」から引用します。詳しくは「公益財団法人 建築技術教育普及センター」のホームページにてご確認ください。

https://www.jaeic.or.jp/smph/shiken/mk/index.html
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令和2年5月8日(金曜)19時30分時点

令和2年二級・木造建築士試験「学科の試験」につきましては、現時点では当初の予定通りの日程(二級:7月5日(日曜)、木造:7月12日(日曜))で試験実施の準備を進めておりますが、今後、新型コロナウイルス感染症を巡る状況等によっては、試験実施を延期する可能性があります。(受験要領「災害等が発生した場合における試験実施の対応方針について」参照)
 当初の予定通りの日程(二級:7月5日(日曜)、木造:7月12日(日曜))に試験を行うか、又は同日の試験実施を中止し試験実施を延期するかについては、6月上旬までに判断する予定です。
 その際、試験実施に関する情報については、受験要領の対応方針に基づき、本ホームページに掲載する予定ですので、必ずご確認ください。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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