【建築業界最高峰の資格】一級建築士資格試験<令和3年度版>

何でも建築相談所、あなたの建築士 “yourCrony”です。

自らを建築士と言うためには、やはり建築士試験に合格する必要があります。

それに、建築業界で仕事をする上で、「建築士」という資格はとても役に立ちます。

そして、「一級建築士」は、もうこの業界では鬼に金棒です。

その方のセンスや技量は別として、「一級建築士」の資格を持っていれば、はっきり言って何でも出来ます。ですので、是非とも合格して頂きたいです。

建築士とは

一級建築士試験は「公益財団法人 建築技術教育普及センター」で行っております。受験資格や試験情報、過去問などなどホームページに記載されていますので詳細な情報に関しては確認してください。最下部にURLを記載しておきます。

まず初めに、建築士に関して簡単に説明しておきます。

建築士とは、

建築士法に基づく資格で、国土交通大臣又は都道府県知事から免許の交付を受け、建築物の設計及び工事監理等の業務を行う技術者の資格です。

はい、条文のままです。建物の設計及び工事監理を「業」として行うならば必ず必要な資格なんですね。あくまで、「設計及び工事監理」なので、施工は含まれないんです。施工に関しては「建設業法」になりますので、建築の施工を「業」とする建設会社には一級建築士は求められていなく資格を持っていなくても建設会社を経営している所は数多くあります。但し、その建設会社の主任技術者や現場代理人には建築士の資格を求められたりしますので結果的に建築の施工を「業」とする場合でも建築士の資格はあった方が良いです。

建築士免許は、一級建築士、二級建築士、木造建築士に分類されており、業務の対象となる建築物の用途、構造、規模に応じて、その建物の設計が出来る出来ないがあります。

それぞれの建築士が設計できる出来る範囲を理解することが重要ですが、最初にどのような区分があるかを知り、その上でどの資格が必要かを理解しましょう。

用途
Q:「一般」か「特定」か
一般一般的な建築物(下記特定以外の建築物)
特定学校、病院、劇場、映画館、観覧場、公会堂、オーディトリアム(注1)を有する集会場、百貨店をいう
注1:劇場やコンサートホールなどの中にあり、パフォーマンスを見たり聞いたりするための場所のこと
  • 重要
  • 「特定」は不特定多数の方が利用する建物になりますので、その建物の安全性等を計画することはとても重要なものになります。ですので、「特定」は「一級建築士」でなければ設計出来ません。
構造
Q:「木造」か「木造以外」か

建築物の構造はRC(鉄筋コンクリート)造・S(鉄骨)造・木造がありますが、資格の区分で考えた時は大きく分けて「木造」「木造以外」かになります。

  • 重要
  • 「木造建築士」はその名の通り、「木造」しか設計できません。
延べ床面積
Q:分岐点はどこか

建築物の延べ面積の分岐点はいくつかあります。代表的な面積として

  • 30㎡
  • 100㎡
  • 300㎡
  • 500㎡
  • 1000㎡

がありますが、中でも太字の2つの面積は重要な分岐点になります。

  • 重要
  • 「二級建築士」は建物の構造の制限はありません。但し、面積によっては設計することができません。木造以外は300㎡超えの設計は出来ません、そして、木造でも1000㎡超えの設計は出来ません(但し、平屋は例外です。)
    ちなみに小さな床面積の建物は資格がなくても設計できます。木造以外は30㎡以下、木造は100㎡以下の2階建てまでであれば可能です。
建物の高さ
Q:分岐点はどこか

最後に建物の高さに関する分岐点になりますが、

「建物高さ13m及び軒高(注2)9m」

「1階」or「2階」or「3階以上」

の分け方になります。

注2:地盤面から建築物の小屋組又はこれに代わる横架材を支持する壁、敷げた又は柱の上端までの高さ

  • 重要
  • まず覚えて欲しいのは「建物高さ13m超え又は軒高9m超え」は「一級建築士」でしか設計できません。
    次に覚えて欲しいのは、「3階以上」は「一級建築士」「二級建築士」だけしか設計できません。

以上のことをまとめたのが下記表になります。言葉で覚えつつ、建築物のボリュームを頭にイメージしながら区分けを理解して貰えればと思います。

一級建築士基本的に全ての建物の設計と工事監理を行うことができます。
二級建築士特殊建築物延べ面積500㎡未満、高さが13メートル又は軒の高さが9メートルを超えない、小規模(300㎡以下)な鉄筋コンクリート造や鉄骨造、木造3階建てまでで1,000㎡以下(但し平屋は面積の制限なし)の設計と工事監理を行うことができます。
木造建築士木造建築物で延べ面積300㎡以内かつ2階以下のものを設計と工事監理ができる。
無資格木造2階建てで延べ面積100㎡以下、木造以外2階建てまでで延べ面積30㎡以下は誰でも可。但し、法規・構造・性能等は建築士レベルの対応が必要。

いかがでしょうか?建築士の必要性、あなたがどの建築士になるべきかイメージはつきましたでしょうか?

ちなみにこのような分類も試験に出てきますので、すでに試験勉強が始まっていることをお忘れなく!

Point

建築士は1度取得すると更新の必要は無い永久的な資格です。
但し、3年に一度の定期講習を受けることが義務付けられていますのでお忘れなく!

受験資格

建築に関する学歴又は資格等
大学、短期大学、高等専門学校、専修学校等において指定科目を修めて卒業した者
二級建築士
建築設備士
その他国土交通大臣が特に認める者(外国大学を卒業した者等)

詳しい受験資格に関しては「公益財団法人 建築技術教育普及センター」にてご確認ください。

そして、令和2年度から変わっています!

建築士試験の受験資格の見直し

令和2年度以前では、大学卒業後2年間(二級建築士取得後3年間、短大・高専卒業後4年間)の実務経験を経て受験資格を得られますので、働く→受験→合格→登録という流れでしたが、令和2年度以降では、上記表の受験資格を満たしていれば、学生であれば卒業後すぐに受験することができるので、在学中に資格の勉強をばっちりしておけば、一発で合格をして、社会人になって勉強を気にすることなくバリバリと働き所定の実務経験期間を経れば資格の登録という流れになります。つまり、受験→合格→働く→登録という流れになります。

これは、近年の受験者数の減少を受けて、受験資格を緩和することが目的であります。さらに、高齢化社会に向かっていくなかで建築業界でも建築士資格保有者が減る事が予想されていますので資格者としての人材確保は急務となっています。既に建築士を保有している方々は資格取得までにとても辛い経験をしてきました。社会人2年生~3年生でまだ仕事にも慣れていない生活環境のなか、仕事と受験勉強を両立させなければならないという残酷で過酷な日々を送ってきたのです。そのようなことからも早期に勉強を行い、資格保有者数を向上させる目的があります。

今までは資格取得まで2年目、3年目という方が非常に多い状況でしたが、是非とも一発合格を目指して早めに勉強を初めてください。

学科試験免除期間の見直し<設計製図試験の受験緩和>

令和2年度以前では、一級建築士の学科試験に合格した方は、その年の設計製図試験のほか、翌年、翌々年の設計製図試験について学科試験が免除されていました。つまり、連続して3回のチャンスがありました。令和2年度以降では、3回のチャンスに変わりはありませんが、学科試験に合格した方は、その年を含めて、5年以内に実施される設計製図試験のうち、3回を任意に選択して学科免除で受験することができるようになります。

例えば、令和2年の学科試験に合格した場合、令和2年から令和6年までの間で、令和3年、4年、6年というように設計製図試験について学科免除で受験することができます。学科試験に合格した年に設計製図試験を受けなくても構いません。今までは、当然ですが学科試験に集中して設計製図試験の勉強を何もせず、学科試験合格後の2ヶ月足らずで詰め込んで、3回のうちの1回を棒に振ることがないように設計製図試験を受けていました。しかし、令和2年度以降は気持ちをリセットして焦らず設計製図試験を受けることができるようになりました。また、建築業界は担当物件等により多忙な時期が不定期なものとなっていますので、少しでも仕事の合間の時間を作れるときに受験することができます。3年間が5年間となって気の緩みが発生してしまい悪い方に動くかもしれませんが、焦ることなく試験対策をすることがとても重要となります。

試験内容

一級建築士の資格試験は「学科試験」と「設計製図試験」があります。学科試験に合格すると設計製図試験を受けることができます。

学科試験

出題形式
5科目 125問 /
四肢択一 (マークシート方式)
出題科目/出題数
建築計画(学科Ⅰ)20問
建築環境・設備(学科Ⅱ)20問
建築法規(学科Ⅲ)30問
建築構造(学科Ⅳ)30問
建築施工(学科Ⅴ)25問
試験時間/当日の流れ
9:30~9:45(15分)注意事項等説明
9:45~11:45(2時間)学科Ⅰ・学科Ⅱ
(45分)休憩
12:30~12:55(25分)注意事項等説明
法令集チェック
12:55~14:40(1時間45分)学科Ⅲ
(20分)休憩
15:00~15:10(10分)注意事項等説明
15:10~17:55(2時間45分)学科Ⅳ・学科Ⅴ
※実施年度によりスケジュールは変更されることがありますので、詳細は「公益財団法人 建築技術教育普及センター」のホームページにて確認してください。
さて、気になる合格率?
  • 合格率
  • 学科試験の合格率は約18%
  • 製図試験の合格率は約40%
  • 学科試験と製図試験の合格率を合わせると約12%
  • 合格基準
  • 毎年決まった合格点はありません。合格点の高い人から合格していきます。
  • 基準は125点満点中90点(約72%)前後となっています。
  • また、足切りと呼ばれる科目毎の合格基準点もあります。
  • 建築計画   (学科Ⅰ) 11点
  • 建築環境・設備(学科Ⅱ) 11点
  • 建築法規   (学科Ⅲ) 16点
  • 建築構造   (学科Ⅳ) 16点
  • 建築施工   (学科Ⅴ) 13点

設計製図試験

出題形式
設計製図
出題科目

事前に公告された「設計課題」に対して、6時間30分の試験時間内に出題者の要求を設計条件から的確に読み取り、利用者の利便と周辺環境を考慮した建築物の計画と作図を行います。与えられた内容及び条件を充たす建築物を計画し、設計する知識及び技能について、設計図書の作成を求めて審査されます。構造設計及び設備設計の基本的な能力については、記述、図的表現等を求められます。

試験時間/当日の流れ
10:45~11:00(15分)注意事項等説明
11:00~17:30(6時間30分)設計製図
※実施年度によりスケジュールは変更されることがありますので、詳細は「公益財団法人 建築技術教育普及センター」のホームページにて確認してください。
さて、気になる合格率?
  • 合格率
  • 学科試験の合格率は約18%
  • 製図試験の合格率は約40%
  • 学科試験と製図試験の合格率を合わせると約12%
  • 合格基準
  • 減点方式により採点されます。出題年度により採点基準は変わりますが問われる大まかなポイントは下記になります。
  • (1)空間構成
  • (2)建築計画
  • (3)構造計画
  • (4)設備計画
  • (5)設計条件・要求図面等に対する重大な不適格
  • これらのポイントを基準に採点されます。確認申請の審査と同じような感じになります。
  • その結果下記のようなランク分けをされます。
  • ランクⅠ:「知識及び技能」を有するもの
  • ランクⅡ:「知識及び技能」が不足しているもの
  • ランクⅢ:「知識及び技能」が著しく不足しているもの
  • ランクⅣ:設計条件及び要件図書に対する重大な不適合に該当するもの
  • そして、「ランクⅠ」のみが合格となります。
  • ただし、設計製図試験のみを見ると合格率は40%とそれ程低くありません。事前に出題内容も発表されますので試験対策を十分に行えば合格することができます。

いかがでしょうか。「学科試験」「設計製図試験」を合わせての合格率は約12%と建築業界最高峰の資格であり非常に難易度の高いものとなっています。しかしながら、「学科試験」を記念受験としたり、申し込みをしても仕事が多忙で受けれないといった方も多く、その結果合格率が低くなっている面もあります。令和2年度以降の法改正で、「学科試験」の合格率も変わってくるかと思いますが、何よりしっかりと勉強を重ねれば合格できる資格ですので対策をしっかりと行いましょう。

試験までのスケジュール

information

令和3年より、受験申込は、原則として「インターネットによる受付」のみとなります。

「インターネットによる受付」は、昨年まで過去に受験された方のみが対象でしたが、新規受験を含めたすべての方の受付が可能となります。詳しくは「公益財団法人 建築技術教育普及センター」ホームページにてご確認ください。

  • STEP.01
    受験申込書の配布
    3月下旬
    • 配布期間:
    • インターネットから得ることになります。
    • 配布時間:
    • インターネットから得ることになります。

    ※詳しくは建築技術教育普及センターのホームページをご確認ください。

  • STEP.02
    願書提出
    4月上旬~中旬
    • 郵送による受付:
    • ありません。
    • 受付場所における受付:
    • ありません。
    • インターネットによる受付:
    • 4月1日(木)午前10時~4月15日(木)午後4時
    • 受験手数料:
    • 17,000円※4月16日(金)(受付最終日の翌日)までに納付。支払いが無い場合、受付は無効となります。
  • STEP.03
    資格判定
     4月下旬~6月中旬
  • STEP.04
    受験票の発送
    6月中旬
    • 受験票の発送:
    • 6月25日(金)頃からマイページにおいてダウンロード可能。

    ※郵送はされませんのでご注意ください。また、スマートフォンの画面上の受検票では試験が受けれませんので、必ず受験票を印刷したうえで試験会場に持参してください。

  • STEP.05
    学科試験
    7月中旬~下旬
    • 学科試験:
    • 7月11日(日)
  • STEP.06
    学科試験の合格発表
    9月上旬
    • 学科試験の合格発表:
    • 9月7日(火) (予定)
  • STEP.07
    設計製図の試験
    10月上旬
    • 設計製図の試験:
    • 10月10日(日)

    ※「設計製図の試験」の課題は、令和3年7月21日(水)頃からセンターのホームページにおいて発表されていますので、要確認です!

  • STEP.08
    設計製図の合格発表
    12月下旬
    • 設計製図の合格発表:
    • 12月24日(金) (予定)

※日程に関して変更される可能性がありますので、最新の情報は「公益財団法人 建築技術教育普及センター」にてご確認ください。

まとめ:受験勉強

受験資格のことを理解したら、早速勉強を始めましょう。すぐ目の前にある試験を狙うのか、少し先の試験を狙うのか。いずれにしても建築業界最高峰の資格なので、そう簡単にはいきません。

独学主義のyourCronyですが、一級建築士に関しては合格してもその先ずっと実務として使用し続ける資格のため正確な知識を得よう某有名資格学校にて試験対策を行いました。ですので、当ブログをご覧頂いているあなたにも資格学校に通われることをおすすめします。かなりの受講料が掛かってしまいますが、この先何十年使用する資格と思えば・・・。

とはいっても、資格学校にいけばすべてが解決ではありません。

わかりにくいところはわかりにくいです。

覚えにくいところは覚えにくいです。

ですので、その点を当ブログにて補って頂けるよう情報を流せて行ければと思っております。

どんな方法・手段であれ勉強した者勝ちです。

資格取得に向けて、当ブログを利用して頂ければ幸いです。

  • 資格学校による試験対策をおすすめします
  • 何と言っても過去問が大事!
  • 分かりにくい点、覚えにくい点に関して当ブログを活用してください
  • 当ブログで息抜きもして行ってください

さらに詳しい情報に関しては、実施している「公益財団法人 建築技術教育普及センター」のホームページにて確認してください。

公益財団法人 建築技術教育普及センター

https://www.jaeic.or.jp/smph/shiken/1k/index.html

最後までお読みいただきありがとうございました。

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