KOTTORI LIVING / 02 理解
収入・所得・控除・税額。似ている言葉を、計算の順番でほどく。
給与明細の支給額、源泉徴収票の所得、シミュレーターに出てくる課税所得。同じお金の話でも、数字の意味は違います。
ここでは給与所得のある人を中心に、収入が税額になるまでの順番をたどります。計算式を暗記するより、いま見ている数字がどの段階にあるかをつかみましょう。
税金の道順を一枚で見る

給与収入から給与所得控除を差し引くと、給与所得になります。そこから、適用できる所得控除を差し引いて課税所得を求めます。課税所得に応じて税額を計算し、該当する税額控除などを反映します。
この図は、給与を中心とした所得税の基本的な流れです。他の所得、損失、分離課税、個別の特例がある場合は、別の計算や確認が必要になります。
給与から税額までの4段階
1 給与収入は手取りではない
給与収入は、税金や社会保険料などを差し引く前の給与・賞与を確認するところから始めます。ただし、支給額に非課税の通勤手当などが含まれている場合は、税金の対象となる給与と分ける必要があります。給与所得となるもの
銀行へ振り込まれた額をそのまま年収欄へ入れると、税金や社会保険料を引いた後の数字を使うことになります。
2 給与所得控除を差し引く
給与所得控除は、給与収入に応じたルールで計算するものです。給与明細の「控除合計」や、実際に払った社会保険料とは別の段階にあります。給与所得控除
給与収入と給与所得は同じではありません。配偶者などの欄が「所得見込み」を求めている場合も、給与収入をそのまま入れないようにします。
3 所得控除で事情を反映する
基礎控除、社会保険料控除、配偶者・扶養に関する控除、保険料控除などは、所得から差し引く段階です。対象になる条件や金額は、それぞれ異なります。
支払った額と控除額が同じになるものも、計算式や上限があるものもあります。資料の金額をどの欄へ入れるか確認しましょう。
4 課税所得から税額を計算する
所得税は、課税所得に応じた税率で計算します。年収全体へ一つの税率を掛けるわけではありません。計算の段階には端数処理もあります。所得税の税率と計算方法
さらに「税額控除」は、所得ではなく計算した税額から差し引くものです。所得控除と同じ列へ混ぜないようにします。所得税等の合計を見る際は、復興特別所得税を含む表示かも確認してください。
このツールでは、所得税と復興特別所得税を合わせた最終合計で100円未満を切り捨てます。途中の表示値を単純に足した額と、最終合計が一致しない場合があるため、内訳と合計は別々に確認します。
2026年の所得が関係する二つの税金

2026年1月から12月までの所得は、2026年分の所得税と2027年度の住民税の計算に関係します。同じ所得を出発点にしても、所得税と住民税では別々に計算します。所得税の計算結果に、そのまま住民税の税率を掛けるものではありません。横浜市の個人住民税の説明
給与明細から今引かれている住民税は、今年の収入から今回試算する翌年度住民税と、対象が異なる場合があります。明細の金額をそのまま来年度の見込みとは考えないようにします。
所得税と住民税で同じにしない項目
| 確認するもの | 見分け方 |
|---|---|
| 対象の年・年度 | 2026年分所得税と2027年度住民税を分ける |
| 基礎控除・配偶者控除・扶養控除など | 同じ名前でも適用額が一致するとは限らない |
| 生命保険料控除など | 所得税用の控除額をそのまま住民税へ転記しない |
| 税率・税額控除 | 各税のルールで計算する |
| 非課税・自治体の扱い | 所得税がゼロなら住民税もゼロ、と決めつけない |
対象の年・年度
- 見分け方
- 2026年分所得税と2027年度住民税を分ける
基礎控除・配偶者控除・扶養控除など
- 見分け方
- 同じ名前でも適用額が一致するとは限らない
生命保険料控除など
- 見分け方
- 所得税用の控除額をそのまま住民税へ転記しない
税率・税額控除
- 見分け方
- 各税のルールで計算する
非課税・自治体の扱い
- 見分け方
- 所得税がゼロなら住民税もゼロ、と決めつけない
控除の金額だけでなく、使う年・適用条件を合わせることが大切です。所得税の基礎控除等は2026年分に適用される改正もあるため、古い年の表をそのまま使わないでください。国税庁の2026年改正案内
自分の入力はどの段階に届いているか
シミュレーターの「あなたの税金マップ」で、入力した給与から所得・控除・税額へ進む流れを見てみましょう。上限の数字だけでなく、「収入を入れ違えていないか」「控除の資料を読み違えていないか」を見直す手がかりになります。

この記事は計算の基本的な順序をつかむための説明です。個別の税務判断や申告書の作成を代わりに行うものではありません。
